Alphahornに用いられているCoaxial Compression Driverは、HPの53話と76話でご紹介したドイツのBMS社製か、それとも、イタリアのB&C社製のいずれかでしょう。オーストリアはドイツとイタリアに接していますし(関係ないか・・・)、他に同軸コンプレッションドライバーを製造しているメーカーは見当たらないから。安さと同軸の実績でBMS社製?
同軸コンプレッションドライバーには、中域と高域の振動系を2つに分けることができるメリットと、ホーンが1つですむというメリットがあります。それから、リング型の中域用ダイアフラムはボイスコイルから遠くて変形歪みを生じやすい中央部が存在しないっていうのもミソなのかも。
画像はJBL社のCMCD(中域用コーン型コンプレッションドライバー)の断面です。
ボイスコイルを中心にして対称になるようにフェーズプラグにスリットが形成されています。コーン側の領域への負荷とダストキャップ側の領域への負荷が均衡するように設計されているような。そして、ボイスコイルから遠いダストキャップの中央部にはスリット無しという構造になっています。ハイレンジ用というかワイドレンジタイプのフェーズプラグとミッドレンジ専用のフェーズプラグでは考え方が違うように思えます。
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