試作品作りは飽きたなんて書いたけど、まだまだやることがいっぱいあります。
その1つが、レコード盤上をリニアシャフトが横切るぐらいアーム長を短くするとどうなるのか、です。 PE200をカートリッジ側にずらせば、簡単にアーム長を短くできます。 パイプ長は200mmのまま。 しかし、PE200の下端部が下方に出っ張っているため、この下端部がレコード面に接触してしまいます。 そこで、長めのボルトとナットを使用し、カートリッジをシェルから離間して固定。 これで、PE200の下端とレコード面との間に約5mm程度の隙間を確保することができました。 ヤジロベエのようなプロポーションになったため、カウンターウェイトを1つ減らすことができました。 このため、アーム全体の重量(70.9g)は約14g減少しました。 指先に感じるアームの動作が確実に軽くなりました。 上の画像はアルミパイプ長が200mmのもの。 下の画像はアルミパイプ長を150mmとした新型。 全体の重量は55gと最軽量。 リード線はパイプ後端から取り出し、また、パイプ後端部に穴を開け、その穴に絡げた銅線にアース線を半田付けしてあります。 黄色いヘッドシェルが重そうに見えますが、指掛け込みの重量はたったの6gしかありません。 マグネシウムの比重はアルミニウムより小さく、6gのアルミニウムではこれだけの構造物を構成することは当然不可能です。 実際にやってみると分かるのですが、シェルのような小さなアルミ片でも3g、4g(1円玉は1g)という重量になってしまいます。 そして、指掛けやこのアルミ片を取り付けるためのボルトナットが加わると、6gに収めることは無理です。 カウンターウェイトは、アルミ製のパイジョンよりもステンレス製のシャフトカラーの方が安価でコンパクト。 また、シャフトカラーには様々な種類があり、好みのデザインが選べます。 このショートタイプのアームはトラッキング性能が向上しているような気がします。 では、今までの長いタイプと比べて音の違いは? う~む、よく分からない。 接続している白ホーンシステムのDCX2496の設定をどんどん変更しているから。 入力がアナログかデジタルか、ということも記憶させることができるため、アナログ用として新たな設定を探っているためです。 このショートアームは、リニアブッシュを用いたパッシブ型リニアトラッキングアームのベテランでないとお勧めできません。 (って、そんなヒト、いるの?) というのは、リニアシャフトにミシンオイル等を塗布してリニアブッシュのベアリングに浸透させようとする場合、オイルがレコード盤上に滴り落ちる可能性がある。 それに、取り扱いが荒いと、レコードとアーム、リニアシャフトが接触し、これはろくなことになりません。 このショートアーム、最初は不恰好だなぁと思っていたのですが、コンパクトでユーモラスなデザイン。 カートリッジが下方に変位して取り付けられているため、なんとなく獰猛な雰囲気もあります。 気に入りました。 このまましばらく様子を見ることにします。 なお、このアーム長のショート化はヨハネスさんの提案によるものでした。 ヨハネスさん、うまくいったよ。 ありがとう! なお、最初の部分のブチブチした音はレコードのキズです。 ヨハネスさんからのもう1つの提案。 ヨ「おい、キットにして売り出せよ。」 お「そりゃ、キット売れないね。」 パッシブ型リニアトラッキングアーム、作ってみる前は、音が左右の何れかにかたよるのでは?という不安がありました。 アームが移動する際、針先が音溝の左右の壁の何れかに押し付けられる… しかし、これは普通のスイングタイプのアームでも同じこと。 やはりアームがスイングする際、針先が音溝の左右の壁の何れかに押し付けられる。 で、パッシブ型リニアトラッキングアーム、やってみると音がかたよるなんてことはありませんでした。 逆に、アンチスケーティングとかインサイドフォースキャンセラーと呼ばれる機構を搭載していない通常のスイングタイプのアームの方が、よっぽど音がかたよるような気がしてくる。 でも、実際に聴いてみると、そうじゃないでしょう? インサイドフォースキャンセラーを所定値以上に極端にかけてゆくと、確かに音はかたよる。 一方、インサイドフォースキャンセラーを外した場合、これは問題がないように思う。 やっぱり、オーディオはやってみないと分からないことが多いですよね。 YouTubeにはインサイトという機能があり、どこの国の人が見ているのかを知ることができます。 Mr.Sound Only謹製のリニアトラッキングアームの動画を見て頂いた方々は… 米国のニューヨーク州、コネチカット州、メリーランド州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州、イリノイ州、アリゾナ州、テキサス州、カリフォルニア州、ワシントン州、オレゴン州、ノースカロライナ州、ハワイ州、日本、台湾、韓国、タイ、インドネシア、インド、マレーシア、オーストラリア、ポルトガル、ドイツ、フランス、イタリア、イギリス、アイルランド、ポーランド、クロアチア、スロベニア、ロシア、ギリシャ、ブルガリア、スウェーデン、オランダ、デンマーク、クウェート、イスラエル、ブラジル、アルゼンチンの方々です。 なんだかとてもうれしいです! ありがちなデザインだけど、こんなの作れたらいいなぁ… LM4Lアームの長期テスト(じっくり使ってみたい)をします。 しばらくお休みします。 .
by kiirojbl
| 2009-10-04 12:01
| DIY Tonearm
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