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JBL 2332 and 2352 (2)
ウェーブガイド理論はむずかしい理論ではありません。
一言でいうと音波の波面(acoustic wavefront)をうまく手なずけて望ましい放射パターンを獲得するという理論です。

アップロードを断念した4つの論文の代わりに、以下の3つの特許文献でウェーブガイド理論を理解してみよう。
3つの特許が並存するのですからウェーブガイドホーンと言っても色々なタイプがあるのです。
同じ定指向性ホーンでも面構えの異なる2360AとMR94があるように。


1. 我らがPEAVEY社のUS6059069号
この米国特許による同社のQuadratic-Throat Waveguideの解説もアップロードしておきます。

2. アップロードを断念した4つの論文の筆者であるEarl Russell GeddesさんのUS7068805号
4つの論文には掲載されていない興味深いホーンの図面が掲載されています。

3.我らがJBL社の(またかい!)US7936892B2号。
彼らが呼ぶところのProgressive Transition (PT) Waveguidesの米国特許なのだよ。
登録日が2011年3月3日でありようやく現代に追いつきました。


これら3つの特許の中で最も理解しやすいPEAVEY社の特許から見てゆこう。
# by kiirojbl | 2012-02-23 13:30 | JBL Horn
JBL 2332 and 2352 (1)
ウェーブガイド理論について調べていたころ、ネットで
"Acoustic Waveguide Theory"
"Acoustic Waveguides In Practice"
"Acoustic Waveguide Theory Revisited"
"Sound Radiation From Acoustic Apertures"という4つの論文を入手しました。

しかし、これら論文は論文の執筆者自身がネットで開示しているものではないため、アップロードすることは問題があると判断し断念しました。
ごめんなさい。



原典の引用なしで説明するというのは・・・
う~む、これは不可能か。
# by kiirojbl | 2012-02-15 17:09 | JBL Horn
JBL 2360A(12)
2360AとMR94Bはいずれも水平指向性が90°です。
しかし、その指向性パターンはかなり違います。

下のグラフの上段はMR94Bの水平指向性のパターン(濃い線)を示しています。
下段は2360A
実線の500Hzと8kHzをMR94Bのそれと比べてみてください。

JBL 2360A(12)_c0143750_15465465.jpg


JBL 2360A(12)_c0143750_2247215.jpg


下のグラフも上段はMR94B、下段は2360A。
こちらは1.25kHzと3.15kHzです。

JBL 2360A(12)_c0143750_15472034.jpg


JBL 2360A(12)_c0143750_2322085.jpg


どちらの指向性パターンが優秀なのかは、前方90°の範囲内における均一性や、側方や後方への回り込み量など、比較する要素が複数あるためにわかに判断できませんが、MR94Bの方が側方への回り込み量がかなり少ないのが見てとれます。
2360Aの厚みのある音とすっきりした印象のMR94の音。
こうした指向性パターンの違いも音の違いに影響を与えていると思います。



2360Aというバイラジアルホーン対複合コニカルのMR94。
ライバルの存在が互いの特徴を明らかにします。
スロート口の絞り形状、全長に占めるスロート部の長さ、スリットの幅、ベル部内側の開き角度、ベル部外側の開き角度、ベル部内側と外側の長さの割合等々、多くの構成要素が異なっています。

ホーンの歴史から見ると、定指向性を実現したことは革命的な出来事でした。
しかし、定指向性というのはホーンの有する特性の一つにすぎません。
2360AとMR94を定指向性ホーンという呼び名で同類に分類するにはあまりにも構成やその音に差があるように思っています。
# by kiirojbl | 2012-02-09 15:47 | JBL Horn