Community社の
M4ドライバーは重さ18.6kg、直径318mmもある巨大なミッドベース用コンプレッションドライバーです。
4インチスロート、カーボンファイバー製の6.5インチ(約16.5cm)のコーン型ダイアフラム、4.5インチ径ボイスコイルを備えています。
ダイアフラムは、樹脂+アルミ箔の合成材のような記憶があるのですが、カーボンファイバーに変更されたのでしょうか。
再生可能帯域は200Hz~2kHz(±3.5dB)、連続許容入力200W、ピーク500Wと強力。
この断面図を見ていると、ボイスコイルの引出し線がポールピース内部側に導出されているのが分かります。
このボイスコイルの引出し線は、ベリリウム銅と表示されています。
ウィキによると、ベリリウム銅合金は、銅よりもはるかに強く、純銅に近い良好な電気伝導性があるんだとか。
ええっと、この合金、かなりポピュラーですというか、ベリリウムってこういう用途が普通かも。
フツーの携帯に内臓されてるカメラのオートフォーカス機構にネオジム磁石と一緒に使われてる。
アウターとインナーのマイラー製のサスペンション。
インナー側のサスペンションの位置が、ポールピースの上部になっています。
アウター側のサスペンションも、サラウンドとは表示されていない。
フェーズプラグの形状を
JBL社のCMCD(200mm Cone Midrange Compression Driver 2169H)と比較すると興味深いですね。
長きに渡り生産され続けている名機であるためか、同製品を解説している
マニアックなサイトもあります。
M4ドライバーの画像は
こちら(少々重いです)。
自作と思われる120Hz
トラクトリックスホーンに搭載。
オーディオの楽しみ方を知ってる。
素晴らしいですね。
同社のPCMXは、M4ドライバー用ホーンの延長フランジ。
下の図は、そのM4ドライバー用ホーンである
PC1594Mのものです。
ホーンの一番外側の部分(黄色)がPCMXです。
黄色に塗ると、親近感がでてくるから不思議。
冗談はさておき、上の図面には"PCMX low frequency extension"との記載があり、PCMXが低周波数用の延長部分であることが分かります。
PC1594Mのパンフレットにも、"PCMX: Mouth extension for 225 Hz operation; highly recommended for optimum performance"との記載があり、ホーンの下限周波数帯域の充実を図ることを目的にしているようです。
ご存知とは思いますが、
ここにはJBL2380Aホーンに延長部を取り付け、500Hzから使用可能なホーンに改造した例が掲載されています。
2380Aのような開口部の全周に平坦な縁があるホーンであれば、このPCMXのような延長板を取り付けることは難しくないように思われます。
下の画像は、
Peaveyの44XTドライバー用のホーン、
CH-7(1.6インチスロート径)。
そして、これに延長板を付けたらどんな具合かしらと作図したものです。
全体のイメージは、
ALTECのMRⅡ594A。
左右縁の延長板よりも、上下縁の延長板にグッと角度をつけて広げてみました。
このPCMXは、PC1594M、
1564M、
1542Mの付属品ではなく、別途購入しなければなりません。
ここにPCMXの値段を尋ねると、554ドル。
ここだと、M4ドライバーが1350ドル、PC1594Mが880ドル。
全部で2784ドル。う~ん、ちと高い。
M4ドライバーだけ買ってホーンは自作?
M4ドライバー用のホーンとしては、
SH2064Mという手ごろなサイズのホーンもあり、M4ドライバーのポテンシャルを楽しむなら、これでもいいかも。
お値段、
480ドル。
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